102「ハロプロ2005夏の歌謡ショー-’05セレクション!コレクション-」



コンサスレFAQ/ハロー!プロジェクト



今回の夏ハロー、「推し」という観点が全てであるヲタには
絶対的に食い足りなく感じるに違いない。
というかまあ、ここ数年のハロコンはだんだんとそういう方向性で
セットリストも構成も固まりつつある訳だし、
会場に入るだけ入って、推しの出番が少なくてブーたれるというのは
どう考えてもあまり格好がよろしくない。
推しを離れた部分でライブ自体を楽しめるように体質改善をはかるか、
そうでなければ単独コン以外は行かない、という潔さも肝要と個人的には思う。


で、そんな「推しが全て」な皆様のライブ体質を改善するのに
これほどうってつけのライブはない!と断言できてしまうのが、
今回の夏のハロプロコンサート。その名も
Hello! Project 2005 夏の歌謡ショー〜'05セレクション!コレクション〜』である。


各ユニットおよびメンバーのベーシックな楽曲はしっかり押さえつつ、
恒例のシャッフルも長めの尺でたっぷりと。
そしてなんと言っても特筆したいのが、ハロコンの生命線でもある
「普段は見られないプレミア的ステージ」の華麗なラインナップだ。
今回その最大の特徴は、
どの嗜好のヲタ層にも満遍なく盛り上がりを訴求しているという点である。


例えばガチの本体ヲタ。特にボキのように4回以上メンバーの増減を体感した者にとっては、
卒業メンバーだけによる『LOVEマシーン』は身体が痺れるような感動を覚えたし、
“貫禄”松浦、“たわわ”加護、“離れ”紺野、“本格派”斉藤、そして“急上昇”岡田、
という5名による『SEXY NIGHT〜忘れられない彼〜』は
まさに「お好きな人にはたまらない」魅惑のステージングと言えるだろう。
さらに、Berryz以外のキッズメンバーが唄う『スッペシャル ジェネレ〜ション』などは
普段は見れないシチュエーションだけに、その新鮮さを喜ぶキッズ推し諸氏は多いと思うし、
「あの」小川麻琴が、実力派の前田有紀とともに、
『悔し涙ぽろり』をしっとりと情感たっぷりに唄いあげるという演出には、
とにかく「おおっ!」と驚きたい刺激系ヲタも満足であったと思う。
もちろん、全員参加の『恋のテレフォン GOAL』や『Go Girl〜恋のヴィクトリー〜』など
各ヲタ共通の盛り上がり要素にもぬかりはなく、
例えどの系統のヲタであったとしても、約90分のショータイム中、
必ず一度はガツンとくる時間が訪れる。今年の夏ハローはそんな作りになっている。


もちろん、どこがという事ではなく、全編楽しめるのが理想だし、
また、そういう風にテンションを持っていく事こそが正しいハロコンの楽しみ方と言えるだろう。
そして、今回はそれが比較的容易なセットリストだと思うので、
ステージに対する露骨な悪評というのも、あるいは少ないかも知れないが、
もし仮に、推しの出番が少なくて…という思いを少しでも持っているのであれば、
90分の間に、必ずや存在するであろう「自分好みのシチュエーション」を
探してみるといいと思う。
そして、それを足掛かりにして、「推しメンの有無」と「ライブの良悪」を
切り離して考える価値観の確立を試みてはいかがだろう。
そうすれば、たぶんまた違ったコンサートとの関係性が築けるはずである。


ともあれ、必見。
結果的に「見てよかった」と思わせてくれるのがハロプロなのは言うまでもない。