099「ハロプロ2005上半期総集編/4月〜6月」




モーニング娘。の屋台骨を支えた石川梨華の巣立ち。
そして新メンバー・ミラクルエース久住小春の加入。
その二つがクロスオーバーした5月の日本武道館公演は、
ステージの上下問わず、その空間に存在する全ての者の
「本域100%」の満面の笑顔に彩られるべきステージのはずだった。


確かに公演は素晴らしいものだった。それは間違いはない。
しかし、その数は少ないとはいえ、
あの場所に心からの微笑みを持ち得なかった者がいたという事実は、
今また何事もなかったかのように動き始めている日常の中で
しっかりと心に留め置かねばならないだろう。


卒業セレモニーは演者だけのものでは決してない。
メンバーの卒業をもってヲタがそのスタンスを変化させていくという意味で、
客席から声援を送り続けてきた者たちにとっても、またひとつの区切りの儀式なのだ。
それが叶わないという事は、確かに本人や周囲はさぞ辛かっただろうが、
セレモニーの実現は無理だとしても、せめて署名という形で惜別のメッセージを伝えたい…
という意志すら「流されて」しまった(少なくともボキにはそう映った)矢口真里のファン。
そして、卒業ツアーとしての気持ちの高まりを
不測の事態によって削がれた上、状況が状況だけに、残された矢口ヲタを気遣うあまり、
不快感をあらわにもできなかった石川梨華のファンはもっともっと辛かった。
矢口の事は、いろいろ飲み込んで気にしないように努めてきたつもりだし、
さりとてハローの同士である事に変わりはない訳だから、
その前途へは、しっかりとエールを送る所存だ。
しかし、あまりにヲタが置き去りにされすぎていた部分についてだけは、
今までも、そしてこれからも腹に一物持ち続けるつもりでいる。


それにしても結局2005年の上半期は、
「生臭い」出来事と、激しい人の出入りばかりに終始してしまった感が否めない。


コラム上では「こういう時こそ腰を落ち着けて」なんて偉そうな事を書いてはいるのだが、
こう立て続けにいろいろな事が起こりすぎると、
いくらなんでもテンションが下がるのは当然の成り行きであるし、
また、アップフロントという会社の、そういうような猥雑な部分で
露骨に商売をしようとする腹が、これから先も見え見えになるような事があると、
「坊主憎けりゃ」ではないが、何の罪もない(であろう)
メンバーたちへの愛情の持ちようにも多少影響が出てくるかも知れない。


もう少しじっくりと、心にゆとりのある中でヲタ活動に勤しみたい。
ここ数年来、ずっと言い続けている「切なる願い」である。


下半期こそ、その思いが叶う事を信じて。
夏から秋へ。季節はめぐる。