098「ハロプロ2005上半期総集編/1月〜3月」




飯田圭織が青いサイリウムの海に包まれて
モーニングを巣立って行ったのは今年の1月。
まるでそれがずいぶん前の事のように思えるほど、
彼女のいない姿にすっかり違和感がなくなってしまったモーニング娘。
そして、カジュアルディナーショーの成功やプリプリピンクへの登板など
順風万帆のソロ人生を着実に歩む飯田圭織もまた、
モーニング娘。の影は徐々に薄まってきている。
あるいは、それを殊更に意識する必要はないのかも知れないが、
なんというか、当時、飯田圭織のいなくなった後のモーニング娘。
少なからず憂い、そして嘆いていた自分というものを思い返して見るとき、
この順応性の高さというか、変わり身の早さというものには、
本当、我ながら呆れてしまう。


違和感がなくなったと言えば、
忌まわしい出来事からどうにか復帰したなっちも、
以前と変わらぬ「なっち然とした姿」を極めて自然に見せてくれている。
いや、ハローの根幹を揺るがすあれほどの大事件だったのだから、
おそらく彼女の中には、まだ癒えきらぬ心のキズが残っているに違いない。
「謹慎」という重苦しい事実と向き合った時、
無邪気で天真爛漫で、そしていつでもほんわか明るいという、
これまで皆から愛されてきた、彼女のキャラクターを維持していくのは
極めて困難な事だと思ったし、また、復帰後、努めてそういうキャラ作りをする姿を
目の当たりにした時、痛々しさを感じたりするのではなかろうか…と、
正直、戸惑っていたのは今だから言える真実である。
だが、なっちはどこまで行ってもやっぱりなっちであり、
キャラとしてのなっちというのは、果たして僕たちの大きな幻想だった。
彼女はなっちというキャラを作っているのではなく、
アイドルとしてのバックボーンが、「地のままの安倍なつみ」なのである。
だから、どんな事が起ころうが、なっちは何一つ変わらない。
それは、ある意味彼女に備わった天賦の才であり、
それを彼女が持ち続ける以上、僕たちのあらぬ心配はどこまでいっても杞憂だった。


そしてもう一つ。忘れずに振り返っておきたいのが
松浦亜弥にまつわる「醜聞」の行方である。

ボキは昨年あたりから、今後のヲタ活動の方向性として
松浦亜弥を注目する事を、ひとつ大きな柱としていた。
特に年齢を重ね円熟味の増した彼女の唄、
そして彼女が従来持つ抜群のアイドル性にも最注目させられ、
いろいろあって少しテンションが落ちかけていたボキの「ヲタ情熱」を
最燃焼させてくれる存在は松浦亜弥をおいては考えられない!
とまで思っていたそんな矢先、件の写真は掲載された。
その後の彼女の動向はご承知の通り。
テレビラジオのレギュラー(まあテレビの方は冴えない結果だが)獲得、
CM起用本数の更なる増加。そして、キャプテン公演の大成功……
一説によると、男と仕事の二者択一を迫られ、
彼女は躊躇することなく「仕事」と即答したという
当時のコラムでボキは「醜聞発覚はプロの仕事ではない」などと斬り捨てたのだが、
この一件を契機に、彼女は本当のプロ根性を持つに至り、
スキャンダルをもエネルギーとして、
自らのトップアイドルとしての存在を確固たるものとしたのだからさすがである。

そして1ヶ月後。
同じようにスキャンダルが理由で、ハロプロ全体が大きく揺れ動く事態になるのだが、
あるいは今から思うと、
松浦亜弥の醜聞は、その大いなる伏線だったのかも知れない。