095「「人知れず 胸を奏でる 夜の秋」〜プリプリピンク」



Hello!Project SHUFFLE UNIT2005アップフロントワークス



誰しもが固唾を飲んだ、今回のシャッフルの大きな注目点。
当然それは、このユニットの正体についてであった。


中澤裕子稲葉貴子保田圭飯田圭織というハロプロ暦上位の4名。
もちろん芸暦や年齢だけでなく、中澤裕子本人も言うように、
いろいろな意味で「濃い」顔ぶれが集まったユニットの名前が


プリプリピンク


だというのだから、
「これは何のネタですか?」と誰しもが思うのは至極当然の事であり、
同時に「あ、これは三人祭か。はたまたハッピー7だな」などと
勝手にイメージを膨らませ、その画ヅラを忠実に脳内で想像した挙句、
「なんだ。やっぱり壮大なネタやんか」と思わず失笑する。
フライング情報に接したヲタたちの多くが、そんな感じだったのではなかろうか。
ところがどっこい。
我々の前に姿を表したプリプリピンクは、
そんなヲタたちのあらぬ想像をまるで嘲笑うかの如く、
他のどのユニットよりも一番「まとも」な佇まいだった。


無理無理なキュートキャラを演じるという訳でもなく、
むしろ歌も雰囲気も醸し出されているのは、それとは真逆のアダルトムード。
衣裳に辛うじてプリプリピンクのテイストを残してはいるものの、
我々が持ち続けてきたプリプリピンクへの「固定観念」は完全に付き崩された。
だか、それは我々にとっての嬉しい誤算であった事は間違いないし、
ボキ個人的には、プリプリピンクというユニットを通して、
この4人の姿を表舞台でもっと見たい…という、
ある意味、抑圧されていた内面欲求を再確認させられたように思うのである。


少し前に稲葉貴子の事を論じた時、まだ何も見聞きしていない状態ながら
プリプリピンクが一等賞だと思う」みたいな事を書いたりしていたのだが、
その予想は、見事に的中であったようである。
この一週間、シャッフルの事をつらつらと書いてきたが、
前評判、そして実際のパフォーマンスなど全て含めて、
やはりプリプリピンクの「ひとり勝ち」のような気が、今はすごくしている。


その背景にあるもの。
結局それは「キャリアの差」という事なのだろう。


5年も6年も同じ釜の飯で育ち、気心の知れまくった4人。
それが急ごしらえの企画ユニットであっても、
そこには、まるで前々から存在しているかのような独特の味があり、
その深い味わいは、例えどんなにユニットとして秀逸な出来映えであったとしても、
他の構成メンバーではそう簡単にはマネのできない、
言ってみれば、プリプリピンク「唯一無二」の大きな武器となる。
他に比べてフレッシュさがなかろうとも、
インパクト重視の飛び道具だと揶揄されても、
そんなものはこれっぽっちもウイークポイントになどならない。


いや。「なぜ?」と聞かれたところで、
「だってプリプリピンクだから」としか答えようはないのだけれど。



恒例の夏ハローは7月10日の大阪からスタートする。
シャッフル復活の今年は、果たしてどのようなステージとなるのか。
否が応にも、期待は膨らむ。