090「スーパーサブ」



稲葉貴子Wikipedia



ボキは俗に言う「スーパーサブ」という存在に昔から強い憧れを持っている。
普段はチームの控えとして、主役の華やかな動きを、
地味ながらも「いい仕事」でアシストし、縁の下の力持ちを全うしながら、
いざというタイミングでは自らが主役級の動きを、
事もなげにサラリとこなすオールマイティープレイヤー。
対外的に派手に評価されることはあまりないが、
チーム内においては、首脳からも選手からも絶大な信頼を得ている
そんなキーパーソン的存在には、なんとも言えない恰好良さを感じてしまう。


ハロプロスーパーサブと言えば、これはもう稲葉貴子をおいて他にはいない。


10年強のキャリアに裏打ちされた確固たる実力は言うまでもなく、
コーラス、コレオグラフィ、さらにはコンサートのゲストとして器用にMCをこなしたり、
歌とダンスをアシストをするなど、
T&Cボンバー解散後は、主役をサポートする存在として、
実に多くの「いい仕事」を手掛けてきた彼女は、
先の美勇伝のコンサートでも、メインの3人を実に見事に盛り立てていた。
そのキレのある動き。そして、サポートしているという姿勢を
決して崩す事なく、それでも醸し出される確実な存在感に、
主役を差し置き、思わず目を奪われるシーンが何度もあった。


中澤裕子が精神的支柱としてハローを引っ張る「名監督」であるとするならば、
稲葉貴子はテクニックの伝承でハローの実力を底上げする
「名コーチ」と言えるかも知れない。


ハロプロに身を置くずっと以前から「集団」の中で活動し、
芸能界の第一線を耐えず見つめ続けてきた彼女はきっと、
その豊富な経験から培った、彼女なりのグループアイドルとしての
セオリーのようなものを持っているに違いない。
そして、少なくともそのセオリーは、生半可な小手先のノウハウよりも、
遥かに大きな説得力と実効性を持っているだろうし、
それが若い世代に上手く継承されていけば、
ハロプロが再びの天下を手に入れる事は、そう難しい事ではないかも知れない…
なんて、大マジでそう思ったりしている。


そんな稲葉貴子はこの夏、『プリプリピンク』の一員として、表舞台に華やかに登場する。


今年のシャッフルユニットは人数が少なくなり、
それぞれの構成メンバーへの注目度が、以前までとは比べ物にならないほど高くなるだろう。
彼女の所属するユニットは特に「キワモノ色」が強いだけに、
どういう方向にダイスが転がっていくのか、予想が全くつかない現状ではある。
しかし、キャリアと実力を兼ね備えた者ばかりが終結した感のあるプリプリピンクだけに、
ブザマな結果になるような事はまず考えられないし、
まだはっきりといろいろ見ていないのでアレだが、
個人的には、このユニットが「一等賞」という予感はすごくしている。


その予感の大きな根拠のひとつ。
もちろんそれが、稲葉貴子の確かな実力である事は言うまでもない。