088「美勇伝1stコンサートツアー2005春〜美勇伝説〜/語之章」




イエスマンのボキではあるが、ことモーニング娘。本体の
コンサートのMCについては、これまでさんざん悪態をついてきた。
でも、盛り上がりでせっかく暖まった身体が完全に冷え切ってしまうほど
長いMCについて僻易していたのは、何もボキだけではないと思うのだ。
台本通りに進行していくミニコントや大喜利コーナー。
そして、ビジョンを使っての、プチハロモニとも言うべきVTR。
それらも全部ひっくるめて、エンターテインメント。
イコール、モーニング娘。のライブであるという意識は解る。
しかし、例えばその10分20分の尺があれば、
惜しくもセットリストから漏れてしまった「是非モノ」の曲が
復活していたかも知れないのに…などという思考は、
ツアーを複数回見てしまうような「リピーター」の持つ単なるワガママなのだろうか。


要はMCが楽しければ問題ない訳である。
時間の事など忘れてしまうほどの魅力的なMCならば、
どれだけ長い時間であっても、たぶん冗長とも苦痛とも思わない。
そして、万人に飽きの来ない、いつ見ても楽しいMCとは、
作りこんだネタコーナーでも練習を重ねたショートコントでもなく
その時、その場所、その時間にしか披露できない旬のフリートーク
これに尽きるとボキは思うのだ。


枕がすっかり長くなってしまった。そうそう美勇伝の話だった。


今回、敢えてMCの事を別稿で書こうと思ったのは、
美勇伝というグループが、「フリートークの妙」というものを、
無意識のうちに心得て、そして表現している事に感動を覚えたからである。


フリートークとは言っても、ただ個々が好きな話をしたのでは何の面白味もない。
立て板に水の如く、整然と並べ立てられる会話もまたしかり。
膨らまされて広がりが出るようなテーマが明確に存在し、
そして、喋り手のキャラや特性がその会話に生き、トークにさらなる弾みがつく。
それがフリートークの醍醐味であり、
美勇伝というグループは、その醍醐味を実に解りやすい形で我々に味わせてくれているのである。


石川の機転の利いたネタ振り、イジられた三好は初々しく照れ、
そして岡田が甘ったるい関西弁で豪快にボケる。
実にバランスの取れたキャラ配分もさる事ながら、
なんと言っても、トークにおける石川のパス回しの上手さである。
イジるところと見れば多少キツめにイジり、
変幻自在のボケを受け止める、あるいは受け流す「こなし」の軽さを見せ、
そして肝心なところでは自分がしっかりと美味しいトコロを持っていく。


そのクオリティの高いMCは、
ハロモニ。やソロのラジオで培われた、石川の「トーク力」あればこそだと思うし、
今後、歌と同じくらいに注目していきたい、
美勇伝の大きなセールスポイントであると言えるかも知れない。


その石川のトーク力、少し本体にも分けてはもらえないものだろうか…