087「美勇伝1stコンサートツアー2005春〜美勇伝説〜/歌之章」



コンサスレFAQ/美勇伝



1曲目『恋のヌケガラ』のイントロが流れるや否や、
表面的なセットリストだけでは推し量ることができなかった「凄み」が、
ステージと客席にこれでもか!とばかりにほとばしる。
前日に躍起になっていたチンケな事前予習など、ほとんど意味をなさず、
ただ、美勇伝の放つ無尽蔵なパワーと、迫力に圧倒されっぱなしの1時間40分だった。


それにしても驚いたのは、彼女たちのたった6曲の持ち歌だけで、
盛り上がりのメリハリや、ユニットのコンセプトが鮮明に映し出せてしまうという
美勇伝の楽曲の持つ「色彩」の豊かさである。
シングルタイトルとなっている3曲がいずれも、
和のコンセプトでありながらも、どこかオリエンタルな雰囲気を醸し出す、
完全な「美勇伝ワールド」の流れなのに対し、
カップリング曲は、メローあり、ライブ向けのパワープレイ系あり、
そして、泣きのテクノポップありと、まさに百花繚乱。
極論を言えば、この6曲だけでライブが成立してしまうのではないかというほどに、
美勇伝の持ち歌にはかなりのポテンシャルと華やかさを感じることができる。
そして、そこに絡み合う
BABY!恋にKNOCK OUT!』や『浮気なハニーパイ 』などハローのキラーチュンの数々。
特におとめ組だった石川梨華が唄う「さくら満開」はなかなかの味であった。
単に人の歌を唄うという事ではなく、自分なりに他人の歌をどう表現するのか。
その面においても、やはり美勇伝は卓越したものを持ち合わせている。
そのあたりがきっと、あれだけのステージングを披露できる秘訣なのかも知れない。


もちろん楽曲面だけではなく、ステージパフォーマンスにも特筆すべき点がある。
それは、ハロプロにはこれまで見られなかった
「セクシー」というコンセプトを前面に押し出そうとする姿勢である。
露出の多い衣装もさる事ながら、目の当たりにした者誰もが
「おおっ」と思わず驚嘆する『曖昧ミーMIND』でのセクシーな動き
(イントロの部分の振り付けをボキはミルフィーユと勝手に命名してみたのだが)
などを見ていると、これまでどちらかと言えば「プリティ」「キューティ」という
イメージだった石川梨華の、そのイメージをいい方向に覆したい、
自らの多面性をもっと表現したいという並々ならぬ意気込みが伝わってくる。
そしてそれは、子供向けに特化され続けてきたハロプロ全体の「流れ」を大きく変える動きでもあり、
動き始めた石川梨華美勇伝は、
今後のハロプロの流れを作り出す、あるいは原動力となっているのかも知れない。


第2章、そして第3章が今から待ち遠しくなる。
そんな「美勇伝説」の幕開けであった。