083「日本武道館」



日本武道館wikipedia
コンサスレFAQ(モーニング娘。)wikipedia



「武道館」とは、どんな時代においても、
常に「威厳」でなければならないと思うのだ。


1966年のTHE BEATLESの公演以来、日本武道館でのコンサートとは、
国内外問わずミュージシャンの最も偉大な権威であり、
且つ、そのステージを満員の観客で埋め尽くす事が、
「一流」と呼ばれる位置に昇り詰めた明確な証となるなのである。
簡単には立たせてもらえない場所。
だからこそ、ミュージシャンたちは武道館を目指してひたむきに努力し、
そして武道館に到達した時に感動の涙を流す。
そこに存在する価値は、ミリオンセールスを記録する事などよりも
ずっと遥かに大きいものなのだ。


別にモーニング娘。が非一流なのだと言いたいのではない。
彼女たち(というかモーニング娘。という看板)とて、
すでに世間に名を馳せた存在であるし、
名だたるトップクラスのミュージシャンに、実力では遠く及ばずとも、
そのステータスにおいては、武道館のステージに立つ資格があるだけのものを
十分持ちえているとボキは思っている。
だが、今が決して頂点とは言えぬモーニング娘。というグループが、
果たして「武道館公演」という名前の持つ歴史的重みを
しっかりと受け止められるだけの存在足りえているのかどうか。
そこに横たわる疑問符がなんとも恨めしい。


考えてみれば、過去2度のモーニング娘。の武道館ステージには、
メンバーの卒業セレモニーという大きな意味が存在し、
そのバックボーンあればこそ、「武道館公演」の重厚な響きにも十分対応ができた。
そういう点でいけば、今回の夏ツアーにおいては、それが全く見当たらない。
あるいは、近いうちに大きな意味が「作り上げられる」などという
悲しい可能性も捨てきれないのだが、とりあえず今現在の情勢においては、
9月唯一決まった本体コンサートの日程に、
「武道館の安売り」的な印象を拭えずにいるのである。


アイドルグループが3度も武道館公演を開催するなんて、
過去には考えられなかった、まさに快挙であるし、
ヲタとしては素直にその事を本来は喜ばなければならないのかも知れない。
しかし、そういう稀有な存在のアイドルグループなのだからこそ、
武道館というものへの価値観をさらに吟味していって欲しいと思う。
そして個人的には、次の武道館公演は


モーニング娘。の来るべき日」
でいいんじゃないのか。そんな風に思うのだ。


それがいつになるかは、わからないけど。