077「ミラクルさん現る。」



モー娘。新加入12歳は肝っ玉娘。yahoo!ニュース/ソース:デイリースポーツ)



久住小春は、果たして本当にミラクルエースたる存在なのか。


現時点での、彼女の唯一とも言うべき
「絶対的評価」に疑問符を投げ掛けるところから今回は初めてみたい。
有り体に言ってしまえば、オーディションの最終候補者を見渡してみて、
彼女がそこまでの絶賛に値するほどの存在であるとは、
個人的には全く思わなかった。


オーディション終盤に、つんく♂が引き合いに出した、
後藤真希加入のオーディションも当時しっかり見ていたが、
後藤のその、他の候補者に混ざった時の違和感とも思えるほどの輝きは、
テレビを通してもビシビシと伝わってきていたし、
ある意味、イレギュラーな結果だった「一人だけ合格」というのも
致し方なしという印象だった。


そんな後藤と、今回遜色ない評価が与えられた久住小春


田舎暮しと都会っ子という差異はまあともかく、
後藤のような、破壊力のある絶大なインパクトを
持っているような感じは今のところないし、
程度はさほどでないにしろ、歌にも多少の難点がある。
立ち位置的にも、ほんわかキャラとしては、
紺野あさ美と若干被るところがあったりするし、
「ずば抜けている」と絶賛するつんく♂の評価が、
つい最近まで、どうしてもピンとこなかった。


しかし、である。
今回武道館のステージを目の当たりにしてみて、
なぜ久住がミラクルなのか、
それを理解するための大きなヒントを掴んだような気がした。
それはカリスマ性とでもいうべき、
人を思わず引き付ける力の強さである。


ステージに登場してから袖にはけるまでのわずか数分。
拙い自己紹介と、一杯一杯になりながらもなんとかこなせたメンバーと絡む演出。
なんてことはない、ありふれた新メンバーのお披露目だった。
しかし、彼女はその短いパフォーマンスの中で、
1万数千の観客たちを確実手中に納めていた。
それは、後藤のような見た目の派手さや切れ味はなくとも、
存在感が間違いのない一級品であることの証明であり、
それを体感したとき、彼女のミラクルたる所以が、
少しずつではあるが解ってきたような気がしたのである。


「末恐ろしい」とは、こういう事を言うのだろうか。
このまま彼女が天井知らずの成長を続けて行ったとき、
モーニング娘。は、そしてなにより彼女自身が、
いかなる「変貌」を遂げるのか。


興味はまだまだ、尽きることがない。