067「がんばれ!吉澤センパイ!」


吉澤ひとみWikipedia



さしあたって、新リーダーである。


夢のようにサヨナラしてしまった、前リーダーの矢口真里と、
♪直接顔見て〜とはいかなくとも、電話やメールで「後、頼むね」というような、
モーニング魂の引き継ぎが必ずや行われたであろうと信じる時、
全ての事情を知り、何の準備もないところに、
突如リーダーという重責を背負わされる事になった、
新リーダー・吉澤ひとみの胸中はいかばかりであったか。
たぶん彼女の事だから「はぁーーー?」なんて派手に動揺しながらも、
次の瞬間には、キリリとした表情になって「はい。がんばります」と
頼もしく答える様子がなんとなく想像できて、
この不安だらけの状況の中、ふと不思議な安堵感を覚えてしまうのである。


とは言え、このような形で突如リーダーとなった事は、
彼女のメンタルな部分に相当なプレッシャーを与える事は間違いなく、
巷では「がんばり過ぎ」によるオーバーワークも懸念されている。
事実、八王子コンサートの冒頭の挨拶の内容を聞くと、
新リーダーの初仕事としてはあまりに重々しいというか、
いきなり厳しいところからのスタートになったという感は否めないし、
さらにこの後石川梨華の卒業、新メンバーの加入(もっともこちらは流動的だけども)など、
グループの激変に伴うハードワークが続く事を考えれば、
「よっちゃん大丈夫なんかな…」の思いは強く残るところだ。


しかし。
ここで我々は彼女のパーソナリティを形づくる、あるキーワードに思い当たる事になる。


体育会系。


かつてバレーボールに情熱を注いでいた青春時代。
そして、フットサルチームのキャプテンとして、かつてあれほど弱小だったチームを
素晴らしいチームに成長させた実績。
吉澤ひとみは、歴代にはなかった本格的体育会系リーダーとして、
モーニング娘。が一皮剥けようとする「産みの苦しみ」とも言うべき今の状況を、
メンバーと共に、力強く乗り越えて行ってくれると思っている。
そしてボキはこの、これまでにないタイプのリーダーの登場は、
モーニング娘。のこれからに、かなりのポジティヴ・ファクターになるのではないかと踏んでいるのだ。


矢口と石川梨華が卒業し、若い新メンバーが入ってくる事で、
以前のモーニング娘。に見られたような、大きな年齢差はもうほとんど見られなくなる。
これまでのような、お姉さんがいて妹がいてという「家族的関係」ではなく、
同年代どうしが集う「学級的関係」にグループのカラーが変わって行こうとする時、
吉澤ひとみが持つ体育会のノリは、
新生モーニングが潜在的に持つ、弾けるようなポテンシャルを効果的に引きだすとともに、
ASAYAN時代のような作られた不自然な形ではない、
ごくごく自然な形でのメンバー同士の切磋琢磨を生み出すことだろう。


そういう意味では、吉澤ひとみにリーダーなんていう呼び名は似合わないかも知れない。
「吉澤センパイ」なんて、意外とぴったりハマってる気がするのだけれど。


とにもかくにも、これで「和田薫色」が完全に消滅し、
名実共に、まさに新生なったモーニング娘。
そのグループをグイと引っ張っていく
吉澤センパイの「腕力」に大きく注目したいものである。