063「スッペシャル ジェネレーション〜Berryz工房6thシングル」


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前にも書いたような気がするけれど、
アイドル歌謡の評価対象というのは、曲自体の良し悪しももちろんだが、
それ以上に曲を表現する者とのフィーリングが重要なファクターであり、
曲だけのクオリティだけで「いい」「いくない」が評価される他の音楽ジャンルとは
基本的に一線を画するものであるとボキは考えている。
例えば過去のハロプロの楽曲においても、曲的にちょっと…と思われるものでも、
歌い手の表現の仕方でその評価がガラリと覆った事もあったし、
その逆のパターンも当然ながら存在してきた。
そして、曲と歌い手のベストマッチングが実現したその時に、
いわゆる「名曲」と呼ばれるものが誕生するのである。


曲的には過去のハローの楽曲群の中でも最高レベル。
つんく♂お得意の場末系というか、ラテンなんだけどボンブラみたいに
洗練されているという訳ではなく、どちらかと言えばベタで泥臭い
お好み焼きソース」のようなコッテリ感。
ただ、毎日はツラいけど、たまに食ったらやっぱり旨い。
そういう、お客の嗜好のツボの絶妙な突き具合はさすがであり、
つんく♂という人はああ見えて
結構懐が深いコンポーザーなのだという事を改めて深く感じ入ってしまった
今回の『スッペシャル ジェネレーション』。
ただいかんせん、歌っているのがBerryz工房というのがいささか微妙で、
手放しで「いい曲」とはなかなか言い切れない部分があるのが悲しい。


断っておくがボキはその辺にいるようなBerryzの下品なアンチなどではない。
ただ彼女たちに興味が湧かないだけである。
しかしながら、そんなボキから見ても、
デビューした頃から比べると、歌にもダンスにもそしてルックスにも確かな成長の跡が見られるし、
おそらく皆が抱いていたであろう違和感は徐々に薄らいではきている気がする。
しかし、である。
今回の曲の場末感に、少女たちが汗をかきかき一生懸命歌い踊る絵ヅラはまったくそぐわない。
Berryz工房が自然と醸し出す、「わたしたちがんばってます!」という雰囲気が、
曲の持つ猥雑さを完全に消し去ってしまっているのだ。
彼女たちに罪はないのかも知れないが、現状のBerryz工房というキャラクターには
今回の楽曲はいかにもヒールが高かったと言わざるを得ない。
なにか新ユニットでこの曲をぶつけられたとしたならば、きっと見方は変わっていただろうが、
現状とりあえずのトータルな評価は「まあいい感じの曲」どまりである。


ただ、曲としては良曲であることに間違いはなく、
それを唄う事で彼女たちが大きくステップアップする可能性は大いにあるだろう。
その為の試金石としてあえてBerryzに唄わせたのだとするならば、
今後の彼女たちの動きに注視する必要大である。