062「私、萌えてもスゴいんです 2」


楽天連勝!モー娘勝率100%Yahoo!ニュース/ソース・スポニチアネックス)



「握手会なんてやらんでいいならやらん方がいいもんなぁ」


ずいぶん前。よみうりランドでの『LOVEマシーン』発売イベントの様子が
ASAYANでオンエアされた時に、その様子を見た岡村隆史は思わずそう呟いた。
おそらくアイドル業界において、最もハードで、そして最もヘビーなお仕事であろう握手会。
こちら側にしてみれば、憧れの人との夢にまで見た邂逅だが、
向こうにとっては、下手をすれば人口規模とも言える人数を、
それも息がかかるほどの距離で相手にしなければならない。
しかも、そんな小綺麗な人間ばかりとは限らないし、
生理的に受け付けないようなのも中には絶対に混じっているはずである。
年頃の女の子にとって、これほど過酷な仕事はないだろう。


しかし彼女たちは、ファンたちへの手土産にいい思い出を持って帰ってもらおうと、
顔を引きつらせながらもとびきりの笑顔をキープし、
ウワゴトのように「ありがとう」と言い続けるのである。
そんな姿を見ながら、彼女たちのそういう健気さに感情移入できるかどうかが、
きっと「真実のヲタ」と「ヲタのフリをしたヲタ」とを分ける境界線なんだろうなあとふと思い、
健気な彼女たちの姿こそが、萌えの本当の正体なのではないだろうかと、
ボキは今回の東北行きで深く深く感じ入ったのである。


だが、しかし。


ここまでつらつらと書いてきた事は、全て作り事の理論にすぎない。
書いた本人が言うのもおかしな話だが、萌えに対する理論などハナから存在しないのだ。
彼女たちに萌える事は理論でも理屈でもなんでもなくて、
ヲタとして今を生きる者たち全てが持つ本能なのだ。
本能は理屈が通用しないから本能なのであり、
彼女たちがちょこまかと動く姿を「かわいい」と心底思う事だけが、
ヲタとしての究極の真理なのである。


ならば明日からも萌えよう。
萌える心こそ、ヲタを支えるエネルギーなのだから。