055「ふしぎ少女探偵 キャラ&メル」


2/14(月)都内の旧校舎にてW主演ミュージカル「ふしぎ少女探偵 キャラ&メル」の制作記者発表が行われました!(公式サイト)
「W」ミュージカル“101点”発進スポニチアネックス)



以前、中村勘九郎(当時。現在は中村勘三郎)が、
シルク・ド・ソレイユの公演を堪能している姿をワイドショーかなんかで見たことがある。
キダムなのかサルティンバンコなのかはっきり覚えていないけれど、
客席にやってきた道化師が、自分と同じ動きをさせようと客たちを煽ったり、
客の一人を指名して何かやらせてみたりと、さかんに客席イジリをするというのがあって、
そのイジられ役に勘九郎氏が選ばれた。彼は達者なパフォーマンスで大いに客席を沸かせたのだが、
終演後のインタビューで「日本人はああいう時萎縮しちゃうでしょ。だからダメなんだよ。
ああいう時は子供の気持ちになって一緒に楽しむのが正しいんだ」
みたいな感想を語っていて、なるほどなあと唸らされた記憶がある。
日本人の場合、どうしてもステージと客席の「超えられない壁」を観客一人一人が
作り上げてしまいがちで、なかなかステージ上との一体感を持って
演目を楽しまない傾向があるような気がする。
もちろん、危険防止とか公衆マナーとかそういう観点から、
客席内に制約が多すぎるという事もあるのだが、
日本におけるショービズがなかなか熟成しない背景に、
リラックスして舞台を楽しむ事のできない環境が大きく関係しているのは間違いがなさそうである。


閑話休題
シルク・ド・ソレイユのように客席が心を解き放ち、
一体感に満ちたステージを作り上げる事ができる存在が
ハロプロ内に存在するのかというのを考えてみたとき、
唯一それが可能なのは、ダブルユーをおいて他にないのではないかと思うのである。


他のハローのメンバーたちが総じて、
テレビ用、ステージ用といった具合にキャラクターを細やかにカテゴライズしている中にあって、
彼女たち二人は、どんな時も「辻と加護」であり、常にそれ以上でもそれ以下でもない。
芸能人として幅がないという風に捉える向きもあるだろうが、裏返してみれば、
見る者に対して妙な「構え」を作らないという事であり、
演者が自然体であれば、見る方も当然リラックスして臨む事ができる。
そこに加えて、辻希美が客席を真似て楽しそうにマワる姿を例に出すまでもなく、
彼女たちがごく普通に醸し出す「みんなも一緒に遊ぼうぜぃ」という雰囲気が、
客席との一体感を演出する。
ちょっと他のメンバーには真似のできない「味」のようなものが、
ダブルユーのステージには存在するのではないだろうか。


そういう意味で、今回のミュージカルの客席参加型という試みは大当たりであると言えるだろう。
ボキは実際に舞台を見る事は叶わないが、漏れ聞こえる噂によればなにやら楽しそうな気配である。
これから見に行くという方は、ぜひとも肩肘張らずにリラックスして、
思う存分ダブルユーと遊んできていただきたいものである。