043「人気はあちら、お金はこちら〜高橋愛についての一考察」


高橋愛Wikipedia



モーニング娘。のメンバーたちは、
過去のメンバーも含めて、皆一様にウイークポイントを抱えていたものである。
ある者は歌唱力だったり、ある者は個性的なルックスだったり、
ある者はふくよか過ぎるボディーだったり。
とにかく、なにかどこか必ずひとつは「泣き所」を持っていて、
それを克服して新しい自分を発見し、見事に花開かせるというサクセス・ストーリーこそが
モーニング娘。の真骨頂だった。
そして、ヲタたちはそんな彼女達の姿に、哀れみも多分に含めて感情移入し、
熱狂してきた歴史がある。


高橋愛には、モーニング娘。のメンバーが恒常的に持っていたウイークポイントであったり、
コンプレックスであったりといったネガティヴ・ファクターがほとんど存在しない。
類い稀な歌唱力しかり、端正な顔立ちしかり、そして福井弁という強い個性しかり。
とにかく彼女にはスキというものがあまりないのである。
細かく見ればそれはいろいろとあるのかも知れないが、
少なくともウイークポイントを持つ人間が醸し出す「翳り」のようなものは微塵も感じられない。
だから、その実力はすぐに作り手に認められるようになり、
作り手側は彼女の持つポテンシャルを活かすべく、
彼女をモーニング娘。の中心に据えるようなシフトを形成するようになった。
力のある者がグループを牽引するのは至極当然の事であり、
高橋愛藤本美貴がいなければ「歌が空洞になってしまう」という現状を鑑みれば、
作り手が高橋を全面に押し出すというのは自然の流れと言ってもいいのかも知れない。


ただ、モーニング娘。というグループの歴史を振り返ったとき、
ウイークポイントのないメンバーが存在した事など未だかつてなかった事、
とんとん拍子にメンバーの中心選手になった者もいなかった事を考えると、
(あの後藤真希ですら加入時にかなりの試練を経験している)
実力云々は別にして、高橋愛が少しばかりの「違和感」のようなものを
グループにもたらしたという側面は否めないだろう。
そして、その違和感の部分が気に入らないのが一部アンチのみなさんで、
やっかみ半分で口汚く彼女に冷評を浴びせている現状もあったりする。


ただ、アンチがどう泣こうと喚こうと、彼女の持つ実力は絶対であり、
彼女の秘める大きなポテンシャルを源として、
モーニング娘。が今後の活動を進めていく事に間違いはないだろうし、
彼女もそれに見合うだけの「いい仕事」を見せていってくれるであろうと
密かに期待している。


「人気はあちら、お金はこちら」
そう。真の実力者に、派手な人気はいらないのである。