042「あややと松浦亜弥のあいだ」


松浦亜弥Wikipedia
「ずっと好きでいいですか」(初回版)amazon.com/注文もできます)
『松浦亜弥ベスト1』収録曲目決定!!



以前、松浦亜弥について書いた時に、
「これからは唄える松浦の時代。ダンスチューンなどいらない」などと
高らかに言い放ったのだが、
偶然とはおそろしいもので、その直後のレギュラーラジオで本人の口から
「2005年は唄いたい」という発言が飛び出し、
図らずもそれを証明するかのように、
今年のスタートを飾るシングルとなった『ずっと好きでいいですか』は
その歌唱力を実証するのにこの上ない極上のポップ・バラードに仕上がった。
一方、ファンの人気投票で収録曲が決定されたという
3月リリース予定のベストアルバムの方は、デビューからこれまで培ってきた
「キャラクターとしてのあやや」の魅力を再確認できる秀逸な選曲となるようで、
今年の上半期は、松浦亜弥というアーティストの持つ多面性が
大いにフィーチャーされる展開になりそうな予感が大いに漂っている。


そんな「追い風」が吹く中、相も変わらずハロプロヲタの松浦に対する評価は手厳しい。


声もビジュアルも年数を経てようやく安定期に入った松浦だが、
その事が逆にヲタに物足りなさを感じさせているようで、
最近は「老けた」とか「落ち着きすぎ」なんていう意見を耳にする事が多くなった。
作り手や本人もそういう変化を敏感に捉えているからこそ、
無理をせずに、歌手・松浦亜弥としての面を押し出す方向に動き始めたのだと思うのだが、
ヲタたちは「松浦が勢いのない事でどうする」などと容赦なく冷評し、
彼女自身の変化など全くお構いなしに「あやや路線」の存続を声高に叫ぶ。
そして、無理にあやや路線を存続させてみて、いろいろな面で「キツさ」が露呈すると、
その辺りを執拗に批判してくるのもまた同じヲタなのである。
ヲタとはなんとワガママな生き物なのだろうと思わず嘆息してしまうばかりだ。


例えばヲタが「あややではない松浦に魅力はない」と言ってみたり、
世間が「あややってワザとらしくて好きじゃない」と言ってみたりする事からも解るように、
良くも悪くもエッジの効いた「あやや」キャラは、インパクトがとてつもなく大きすぎた。
もちろん、その強烈過ぎるインパクトがあったからこそ
ここまでの存在となれたのは間違いないのだが、
同時にそれが歌手・松浦亜弥にとって大きな足枷となってしまっている現状は
なんとも歯痒い感じがする。
ヲタや世間が「あややではない松浦亜弥の良さ」を理解するには
おそらくいま少しの時間が必要だろうし、
あるいはどこまで行っても理解は得られないかも知れない。
しかし、それでもなお腐らずに彼女が歌の道を進んでいってくれるとするのならば、
推しという概念を超越した部分でボキは彼女をずっと見守っていきたいとさえ思っている。


なぜなら彼女の歌には、それだけの価値が存在するからである。