023「飯田圭織へ送る手紙」


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飯田圭織プロフィール(オフィシャルサイト)



前略 親愛なる 飯田圭織様。


お元気でしょうか。


2005年が明け、モーニング娘。のメンバーとして過ごす日々もいよいよ残り僅かとなりましたが、
今はどのような心持ちの中におられますか?


思えばモーニング娘。としてデビューした頃の貴女は、
その言葉が日本一ぴたり当てはまるというほどの「天然少女」でした。
ASAYANにおけるナインティナインとの絡み。歌番組での突拍子もない言動。
本当にこのコは大丈夫なのか…と見ている我々は常にハラハラのし通しでした。
しかし、いざ唄い始めた時に見せる引き締まった表情。そして変幻自在の声色。
一体、本当の飯田圭織とはなんなのか。
いわば「謎の魅力」が当時我々を大いに魅了したものです。


2002年にモーニング娘。のリーダーとなった時も、我々はやはりハラハラしていました。
天然少女である貴女が、先代リーダーの中澤裕子さんでさえあれだけ苦心していた、
モーニング娘。の牽引役という重責を担う事ができるのか、と。
今となってはなんとも失礼な話なのですが、当時の我々は、貴女のその言動などから
どちらかと言えば人をまとめるという事が不得手のような気がしていましたので。
しかし、我々の無用な心配など物ともせず、
中澤裕子さんがリーダーを務めていた時代とはまた違ったモーニング娘。の「形」が見事完成し、
そして花開いたのは、ひとえに貴女がリーダーとしてここまでモーニング娘。を引っ張ってきたからこそだと
我々は思います。もちろん貴女自身の心身の成長、そして周囲の人々の支えなどもありはしましたが、
やはり飯田圭織という「人柄」や「精神」でなければ表れる事のなかった
様々な相乗効果の大きな賜物なのではないかと改めて感じる次第です。



「デビューした時『横浜アリーナをいっぱいにするぐらいのアーティストになろうね』
                        って約束したの、覚えてる?…いっぱいだよ!」



あの日。
白いサイリュウムで埋め尽くされた満員の客席を、
安倍なつみさんと見ながら、貴女がポツリと呟いた一言。
覚えておられますか?


あれから1年。今度は横には誰もいません。
貴女はたった一人で、満員の客席を前にしてきっと同じ事を思うのでしょう。
脳裏に6年前の同じ場所を思い浮かべながら。


6年前、「いつかここを満杯にしてみせる」と誓った日から、
歩みを止める事のなかった貴女の熱い想いは、
これから先をモーニング娘。で生き続ける後輩たちにしっかりと受け継がれていくものと、
我々は信じて止みません。



飯田圭織様。
残り少ないモーニング娘。としての日々を、悔いのないように過ごしてください。


そして、モーニング娘。として過ごした7年間の「足跡」を大事な宝物として、
輝きながら、羽ばたいて行って欲しいと心から願うばかりです。

à l'avenir...