018「回顧2004〜1月から3月まで」


サプライズは恒例になってしまってはサプライズでもなんでもない。
毎度の卒業発表も、こう何度も経験していくと
「ああまたかね」とさして驚かなくもなるのが常というものだ。
しかし、その絶妙ともいえるタイミングに、やっぱりいつも我々は驚かされ、
落胆させられ、そしてどうしようもない虚脱感に襲われる。
安倍なつみの卒業公演の3週間前という時期もさることながら、
今回に至ってはそこに輪をかけ「辻と加護でユニットを組みます」という、
なんとも飛び道具的な重大発表まで重ねて行われた訳で、
1月3日の発表を聞いて、正月早々の浮かれモードが吹き飛んでしまった
ヲタ諸氏も多かった事だろう。
かくいうボキも、保田圭羅生門」初日を観るべく前乗り上京中の
新幹線車内でその一報を聞き、デッキまで人いきれの自由席車両にもかかわらず、
思わず「うっそー!」と絶叫した。


安倍に続き、辻と加護が本体を離れる事によって懸念されたのはたった一つ。
モーニング娘。の代名詞」を今後どのメンバーが担っていくのかという点であった。


モームスのなっち」そして「モームスの辻ちゃん加護ちゃん」として、
非ヲタ層にも知名度抜群であった彼女らが、
立て続けに本体を離れる事の影響がどのような形となって表れるのか。
その当時はやはりどうしても期待よりも不安が先行していたのは事実である。
そして、更なる卒業者が発表された今もって尚、その不安感は残念ながら拭いきれていない


奇しくも同じ中野サンプラザで、かねてより進行していた
ハロプロキッズ新ユニットのお披露目が行われたのは、
辻加護卒業発表から少し経った1月14日の事。
Berryz工房」と名づけられたそのユニットは、
3ヶ月連続を皮切りに、その後2枚合計5枚のシングルと、オリジナルアルバムをリリース。
さらに辻と加護による新ユニットW(ダブルユー)のツアーに帯同しての全国公演実施と、
まさに飛ぶ鳥を落とさん勢いの快進撃を見せた。
今や「夏焼雅」やら「熊井友理奈」なんていう刺繍の入った特攻服が
コンサート会場を闊歩するようにまでなった。世も末である。


その後、どの程度まで本気なのかがイマイチ読めなかったハローのフットサルチーム
Gatas Brilhantes H.P.」が東京都大会公式戦に出場登録するという、
昨秋のスポフェス観戦者にとっては「?!」なニュースがあったり、
初めて本体コンではなくハロプロコンサートでの実施となった安倍の卒業などなど、
大きなニュースは1月に集中。
まるで2月以降の分割コンやソロ組のミュージカルを前に、
1月中にとりあえず出せるニュースを出せるだけ出しましたというような趣きだった。


しかし、ヲタ的にこの時期最も大きな話題になったニュースといえば、
なんといっても世間を大いに揺るがせた
( ^▽^)<大のオトナが  発言ではないだろうか。
まあ、この事件に関しては他所でも散々論じられたし、
今さらここにあれこれ申し述べるべき言葉もないのだが、
ステージ上は確実に客席を見ているし、認識しているというのが、この一件ではっきりとした。
つまり、アイドルとそのヲタたちの間にも少なからず
「人間味ある関係」が築かれているものなのだという事。
それが例え「バカっぽい」とか「●●チャンピオンウザい」というような
我々に対する罵倒めいた言動であったとしても、
向こうに機械的にお客様としてしか認識されない存在であるよりもずっとリアルだし、
ボキなどは彼女らにさらなる親近感を持つようになったのだけれど。
そして、この事件が十ヵ月後、新たなるシチュエーションをもって、
しかも違うメンバーによって図らずも「再現」されてしまう事になるのだが、
それについてはその時にまた。