010「「U+U=W」〜W(ダブルユー)フォト&エッセイ


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W(ダブルユー)(公式サイト)



こういう事を言うのはアレだが、
ダブルユーがここまで安定感のあるユニットになろうとは、
正直思ってもみなかったのだ。


オーディションから加入当初。
ミニモニ。の時ももちろん、モーニングを卒業するその日まで、
ボキが見ていた限りは、辻希美加護亜依という個々に
安定要素などこれっぽっちもなかった。
彼女たちは常にモーニング娘。の飛び道具であり、騒動の種だったし、
思い切り笑わせてくれる半面、その言動に多々心配させられたりもした。


そして二人一緒になると、それはさらに強烈なウエポンとなり、
生み出されるとてつもないパワーは我々の脳天を確実に直撃した。
『ぶりんこうんこ』を唄い踊る彼女たちは
間違いなく「安定C」だった。


だから当然、辻と加護が卒業後にユニットとしてやっていくと聞いたときに
「なにっ!」と思わず驚嘆したし、
さらにそのユニットが『恋のバカンス』など
不朽の名作群をカヴァーすると知って
「本当に大丈夫なの?」と心底不安に思ったのは、
言わば自然の流れというものである。


しかし、そんなボキのネガティブな予想を完全に裏切った形で、
ダブルユーは華々しく登場した。


唄とかダンスに一日の長があるのは言うまでもない。
特筆すべきはその醸し出す雰囲気だった。
自分たちが100の力でこなすべきパフォーマンスを、
120で魅せようとする、
それはおそらくプロ意識と世間では呼ばれている、
彼女たちの確かな成長がそこにはあった。


一体いつの間に?


確かに見た目はだんだんと少女からオンナへと着実に、
そして確実に変わってはいるし、
さすがに以前と比べればその言動も大人しくはなっている。
だが、例えばリーダーになった後の飯田圭織のように、
外見も中身も劇的に変化したようなところはないし、
第一、未だに食い物絡みのコーナーで涙を流したりとか、
そういうのを見ていると


「あーやっぱり辻加護辻加護なんだなー」


などとと思ってしまうボキの選球眼は決しては狂ってはいないと思う。



芸能人としての自覚が芽生えてたということなんだろう。


確かに今回のエッセイを読んでも、仕事に対する姿勢について語る彼女たちは、
辻加護というワンセット販売の中での自分たちではなく、
辻希美加護亜依として、確固たるスタンスとビジョンを持っている。
そこにいる彼女たちは、もうすでに
「いわゆる普通の17歳」の彼女たちだった。


「あの辻と加護がすげーなあ」

自然にそう口を突いて出た。


ヲタを標榜していながら、
その貴重な成長の過程を見ていたようで全く見れていなかった
自分が恥ずかしい限りだが、
これだけは自信を持って予想できる。
このままドッシリと落ち着いていく彼女たちなどではない。


「あーやっぱり辻と加護なんだよなー」


そうボキを呟かせる日が、絶対にまたやってくる日がまたきっとやってくる。