005「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!」


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今や、年表上の知識でしか知らないヲタの方が確実に多い
ASAYAN「シャ乱Qプロデュース女性ロックボーカリストオーディション」。


当時、B級グラドル上がりの河村理沙と、色っぽい高口梓と、
変な動きの中富さんにしか興味の無かった自分にとっては、
グランプリを取った平家も(今やこの人すら生で見たことないような人もいるんですかやっぱり)、
その後モーニング娘。としてデビューする事になる5人も全くのノーマークで、
そのあまりの眼力の無さに、10年以上のアイドルファンとしてのキャリアが
音も立てず崩れ去っていった過去もまた懐かしい。


…なんて、そんな当時の事から、道重さゆみ症候群という法定伝染病に魘されている現在の惨状まで、
いい事も悪い事も、全部ひっくるめて思い起こさせてくれたのが、
11月19日オンエアのPJにおける「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!」のパフォーマンスだった。


女子かしまし物語といい、今回といい、
「改めまして自己紹介です」的な楽曲をこの時期にリリースするというのは、
確実に一般ファンへの「見本カタログ」的な効果を上げている事は間違いないのだけれど、
一方で裏を返せばそれは
ハロプロの持つ恒常的な危機感を端的に表しているものだとボキは思う。


つまり特にメディアにおける「つんく♂モームス景気」が一段落した後に加入した
ハロメンの一般への知名度が恐ろしいほどに低いという現状。


一般層で追尾し得るハローの情報は、
おそらくミキティとして浸透している藤本美貴くらいまでではないだろうかと推測。
後はせいぜい「モームスの新しいコ」とか


「なんかゴマキなっちあややが変な格好してたヤツ」
とかその程度だろう。


下手をするとメロンやカントリーですら危ういし、
あれだけ大々的にパブ展開した「Berryz工房」「美勇伝」だって
詳しいことはおそらく一般層は誰も解らんだろうと思う。


熱狂ヲタだけが盛り上がる世界。B級ならそれもまた良しだが、
つんく♂プロデュースとかモーニング娘。という看板が必要以上に大きくなってしまった今では、
そういう訳にはいかない。
数が少なくなったとは言え、今でも業界やヲタ以外の人たちの耳目はそこそこに集まる。
そんな時に「つんく♂の作ったなんか得体の知らないユニット」では
できる商売もできなくなってしまう。
ヲタの力も大事だが、そのプラスアルファを一般層から獲得するためにも、
しっかりとしたプレゼンでハロプロという商品をアピールする必要に、
おそらく今迫られているのだろう。
あるいは迫られていなくても、来るべきその日に備えての布石を打っているのかもしれない。
まあ穿った見方ですけども。


ただ(特に黎明期からの)ヲタにとっては、
やはり涙モノの楽曲でありパフォーマンスである事には間違いなく、
来年のハローのステージ上で、
全員がこれを歌い踊る姿を今から心待ちにしている今日この頃なのである。