350「いつのまにやら。」



ハロー!モーニング。テレビ東京オフィシャル)



7年続いたハロー!モーニング。が最終回を迎えた。
ボクはたまたまその日関東にいて、最終回を運よくオンタイムで見る事ができたのだが、
内容やラストへの感慨ではなく、番組の編集にとてつもない苦心の跡が伺えた事に、ボクは涙を禁じえなかった。


新メンバー初登場シーン特集では、しっかり4期メンバーは3人だけだったし、
なにより、視聴者が選ぶもう一度見たいシーンの第1位がミニモニ。だというのだから、これはもうどうしようもない。
捏造云々言われている昨今、ヘタな事もできないというのは解るが、
別にこんなランキングぐらい、「演出」の範疇でいくらでもなんとでもなるだろうし、
7年間続いた番組のラストカットがぬいぐるみ、なんていう後味の悪い事になるくらいなら、
辻ちゃんの「らってみんな自慢すんらもん」という、誰しもが認めるハロモニ史上最強の名言をとりあえず1位にしてしまって、
後は「大人の事情」で順位を適宜調整した上、とにかくきれいな体裁で番組を締めくくって欲しかったものだと、心底そう思った。
まあ、草津温泉の一件がなかったとしても、果たして、ちゃんとした形でミニモニ。が取り上げられていたかどうかは解らない。
しかし、総集編の前編に関しては、ミニモニ。の映像も普通に使われていたし、
タンポポだってちゃんと扱われていた。ということは、つまり、後編のオンエアまでに起こったアレがナニで、
無理な編集を余儀なくされたという事は間違いなく、そういう意味では、とても残念な大団円になってしまった。
ただ、ボク個人としては、それよりも気になった、ある一点の大きな引っ掛かりがあった。


2005年4月24日は日曜日。当然、その日もハロモニはオンエアされていた訳だが、
その日を境に、以降番組に出演しなくなった。いや、正確には出演「できなくなった」メンバーがいた。
なぜ居なくなったのか。なぜならそのメンバーは、モーニング娘。を何も言わずに去って行ったからである。
記念の特番、卒業コンサート。そんな当たり前のセレモニーも一切ないままメンバーを辞し、
「元・モーニング娘」として、あらゆるテレビ番組に引っ張りだこになっても、
ハロモニのスタジオにだけは、ついぞお呼びのかからなかった、モーニング娘。始まって以来の「脱退」メンバー。
矢口真里の姿が、実にさりげなく最終回のスタジオにあった。
何も言わずにいなくなったんだから、何も言わずに帰ってきたって、別に問題はないとは思う。
ただ、あまりにもあっさりし過ぎていると言うか、当たり前のようにその場にいて、
まるで、以前と全く何も変わらないかのような、柔和な関係性が支配する雰囲気に、
ボクは、得体の知れない猛烈な「違和感」を感じずにはいられなかった。


件のカレシとも別れ、再びハロプロに心血を注いでくれるようになった矢口を、今さら昔の話で責めようとも思わない。
「やっぱりファンの力は偉大だ」と感じて、ひたむきに仕事を続けてくれる事が、
あの時大きく傷つけてしまったファンに対しての、なによりの「償い」になる訳だし、
MCではなく、唄うハロプロメンバーとしてステージにも戻る事ができ、
「がんばります」の姿勢が見える事は、やはり素直にうれしいと思える。
それだけに、絶対に実現しない事であるとは知りつつも、
ハロモニに久しぶりに帰ってきたという事を、自分の言葉で聞かせて欲しかったし、
最終回だからこそ。ミニモニ。が1位だからこそ。
事務所サイドも含めたスタッフ諸氏には、そういう時間をしっかりと作っていただきたかった。
そして、誰あろう「脱退第1号」である矢口自身が、心機一転の心境を公に向かって吐露する事が、
加護ショックに喘いだハロプロを救う、もっとも有効な手段なのではないかと、ボクは真剣にそう思っている。


ハロモニは終了だが、新番組はまたしてもハロモニ@
オンエア時間が短くなるだけで、地方人の強い味方である「ハロプロの広報番組」は消えない。
よく考えれば、一番最初は30分番組で内容盛りだくさんの、まさにモーニングセットだった訳で、
さまざまな意味において、初心に戻る「新生ハロモニ@


当然ではあるが、これまで以上に楽しい番組を期待せずにはいられない。

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