348「もっと楽しく、もっと優しく」



すかいらーくグループ リーグ ―Futsal League For Working Lady―(オフィシャルサイト)



女性芸能人フットサルが、事実上の「2リーグ制」になるのだという。
しかも、その分裂の中心的存在が、カテゴリのフロントランナーでもあるガッタスだというので、
最初に話を来たときには、ちょっとした驚きがあった。


立ち上げ以降、さまざまな事務所が参戦。規模もだんだんと大きくなり、
ついには、スフィアリーグという、常設の大会までもが作られ、
文字通り「肥大化」の一途を辿ってきた感のある女性芸能人フットサルの世界。
だが、興行としてのクオリティが上がっていくに連れ、さまざまな問題点も浮き彫りになった。
特に言われているのが、いわゆる「助っ人問題」。
芸能人としての実績がほとんどない、サッカーのセミプロ的人材をチームに加入させ、
興行という側面そっちのけで、とにかく実績を上げる事だけに躍起になるチームが増え、
それが原因で、他のチームの選手のモチベーション低下や、観客離れが進んでいるという話。
今回の分裂騒動も、あるいはそういう部分に起因しているのかも知れないが、
いずれにせよ、ガッタスを失ったスフィアリーグは、興行として相当厳しい現実に立たされるのではないだろうか。
これは、自惚れでもなんでもなく、ガッタスのメンバーほど顔と名前の売れている選手が、
他のチームに一体どれほど存在するかといった事を考えれば、
スフィアリーグの未来も、推して知るべしといったところなのである。
ただ、ガッタスも決して安穏とはしていられない。
紺野が抜け、そしてカントリーの3名が抜け、手薄感の否めない現有勢力。
そこに加えて、芸能人の「本分」が充実しつつある昨今である。
特に、チーム唯一のゴレイロ辻希美、そして、モーニングのリーダーとなった藤本美貴の二人は、
タレントとして、今がチャンスであるという部分が強いし、
藤本に至っては、さらにGAMとしての活動も抱える事になるので、
はっきり言って、フットサルなんてやってるヒマなんてないんじゃ? とボクは感じている。


そもそも、この女性芸能人フットサルは、スポーツとしての女子サッカーをもっと興隆させましょう!
というキャンペーンの「目玉企画」の一環でしかなかった。
火花が飛び散るほど激しく身体をぶつけ合ったりだとか、負けて悔し涙にくれたりだとか、
そういうマジな事ではなく、もっと「ざっくばらん」に、フットサルというスポーツを楽しみましょうという、
エンターテインメントな部分に最も重きを置いた活動だったはずなのだ。
いつの頃からか、真剣勝負が当然という風潮が出始め、それが行き着いた先に、
今、助っ人問題や分裂騒動が横たわっていると言っていいだろう。


とにかく、見ていて無条件に楽しくなれるようなものを。
眉間にシワが寄ったり、不快な気分とならないように、
もっと「ゆるゆる」としたガッタスを目指して欲しいし、
あるいは、そう在るための新リーグ立ち上げなのだとしたら、
個人的にはまあ、それはそれで全然いいとは思うのだけれど。

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