001「涙が止まらない放課後」


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初見の時に「やったー」って思ったんですよ。
別に道重さゆみ激推しという見地からではなくて、純粋に。


だってアンタ。これから唄おうとしている待望の新曲のセンターに鎮座ましましてるのが
石川梨華紺野あさ美道重さゆみですよ。
これ一体どうなるのかと。いや、むしろ我々にどうして欲しいのかと。
これは罠なのか。あるいはモーニング娘。の新しい方向性はそこだというのか。
なんてありとあらゆる可能性を模索しつつ、変な汗を全身に滲ませながら、
ボキは初披露である横浜アリーナのセンター席に立っていました。


この衝撃は、2002年に3期タンポポの布陣が発表された時以来。
当時も、石川梨華柴田あゆみ紺野あさ美という「超攻撃的」なメンツを迎え、
「おいおいおいおいおいおい」と藤村Dよろしく驚嘆していた訳です。


なんだよく考えたらその時と二人かぶってんじゃんと。
だったら別に斬新もヘチマもなくて、ただ単に奇抜狙いなんじゃん。
なんて思考はあまりに浅はか。


ここであえてこのセンターの布陣で、この曲をリリースした事について、
ボキはなんとなく安心した部分があったんです。
鳥人間コンテストで言えば、すっかり勢いを失い、ここまでの余力だけで水面スレスレを
必死に飛行し続けているエア・プレンのような、そんな今のモーニング娘。にあって、
このタイミングで「実験的作品」という名の捨て曲を、
ビシっとリリースできるだけの余裕がある事に、
ボキは「まだまだやる気だコノ人たちは」という意気込みめいたモンを感じた訳ですよ。
それで「やったー」と。


ところが。ところがですよ。


テレビで唄ってるのを見てすっかり意気消沈。
なんですか。こんこんを除いて後はセンターメンバー総替えというパターンは。
よく吟味すれば、どうもinのメンバーはCDで2コーラス目を担当しているメンツのようで、
どういう意図があってそんな事をしたのか知りませんが、これにはもうがっかりです。
かしまし方式というか、番組によってセンターを変動させる手法かも知れないけども、


これは潔くないねえ。


あるいは、本当に「どうしようもないから交代」なんつー降格人事だったとしたら、
これはもうはっきり言って戦犯モノだと思います。
あの4人でやって、あの曲調で、多くのヲタを落胆(あるいは失笑だったり)させて、
今回は大成功のはずでしょ。変に色気を出してしまっては全てが水泡。


24枚ものシングルを切っていて、全てが勝負曲ならすでに破綻は来ている。
要所に捨て曲が散りばめられているからこそ、その次またその次が生きてくる訳です。
「ふるさと」がそうであり「I WISH」がそうであり「ひょっこりひょうたん島」がそうだった。


もちろん、道重さゆみが見られないという悔しさややっかみもある。
でもそれ以上に、モーニング娘。というユニットをこよなく愛するものとして、
モーニングは常に攻めていて欲しい。
守らず攻め続ける事で、必ず再度の好機が巡る。
その時、例え少しでもふわりと再びエア・プレンが浮上する瞬間。
それを見届ける為に、ボキはモーニングを今日も見つめ続けているんですから。